いつもこのブログをご覧いただき、誠に有難うございます。パリ五輪が
始まり、猛暑と相まって眠れない夜が続いています。いつもの通り、最初の内は、日本の快進撃が続いていましたが、昨日あたりからは連敗が続くようになって来ました。今後は本来の実力通りの結果になって行くのでしょう
ね? まあ、昔の太平洋戦争の経過と同じですなあ、、、
さて前回までは、国宝東寺百合文書の記録を通して、南北朝期に活躍した
奈良氏について、見て参りました。初期の細川京兆家の家宰としての役割を
担っていたらしいことが判ったのでした。私はこの背景には、奈良氏が、
鎌倉時代の承久の乱後に、新補地頭として細川氏(矢田八郎=細川宮内丞
※吾妻鏡)と一緒に奈良五郎が、三河国細川郷(岡崎市)へと移住して来た
という東国の下級御家人仲間としての絆があったからだと、考えています。
しかし三河ではお互いよそ者なのですよ。ですから細川頼之の代には、本領三河を捨てて、讃岐へ移住している
訳です。そしてその後は、細川氏の隆盛と共に、伴走する奈良氏の方も、一緒に輝いて行ったのでした。
そんな奈良氏も戦国期に入り、讃岐の地での終焉の時を迎えたようです。今回からは、時代を戦国期に移し、奈良氏の
その後を追って行きたいと思います。で、今回の掲示は、江戸末期の丸亀藩によって編纂された、「西讃府誌」の奈良氏に
ついての記述からです。奈良氏の由来については、応仁期の細川勝元の家臣、奈良元安と、南北朝期の細川頼之・頼元の家臣、
奈良五郎左衛門入道を混同するなど、「南海治乱記・通記」と同じ間違いを犯していますけどね、でも東国の出は、正解です。
で、南北朝期の隆盛から、室町期にかけては、何とか命脈を保って来た讃岐奈良氏ですが、戦国期に入ると、厳しい状況が
待ち構えていたようです。讃岐は畿内とも近いので、讃岐の国人衆は、畿内にも拠点を持っていたため、畿内の政情の影響を、
もろに受けたのでした。(奈良氏も同様です。)奈良氏の仕えた細川京兆家(管領家)は、応仁の乱後の細川政元(勝元の子)
の代から、室町幕府(足利将軍家)ともども、混乱と内紛、衰退の時代に突入します。結局細川政元は、1507年に家臣の香西氏
によって暗殺されてしまいます。また細川京兆家の家系も、頼之・頼元から続いた家系が、子のない政元の代で断絶してしまった
のでした。(次の管領、細川澄之は公家の出ですよ。)これにより、細川京兆家の旧来の家臣団も、ばらばらになって行ったの
だろうと思われます。この管領細川政元の時代の奈良氏が、掲示文書西讃府誌にある、奈良元安の子、奈良元信ですね。ここも
細川京兆家の当主に、きちんと対応はしています。しかし細川政元の次の当主は、細川家の内紛により、澄之、澄元、高国と
後継が乱立したため、奈良元信の子、元政は、どの当主に付いたのか、良く判らない状況になったのでした。(多分、細川澄元
あたりに味方したかな?、とは思いますが、細川家臣団も分裂していったので、、、)
細川家分裂により、もはや内衆として京都に詰める必要がなくなったため、奈良元政は、領地である宇多津に住んだのですよ。
自分の領地を守るため、ですね。しかし細川家の衰退と軌を一にして、讃岐奈良氏も、徐々に領地を失って行ったようです。
こうして本文では、天正十年?(1582年)遂に、奈良元政は、長曾我部元親に滅ぼされてしまったのでした。まあ実際には、
長曾我部元親が讃岐を征服したのは、もう少し前、天正八年(1580年)頃だとは思いますけどね。また年代的に言って、実際に
戦って滅ぼされたのは、奈良元政ではなく、元政の子(太郎左衛門?)の代ではないか?、と思いますけどね。一世代(30年)
分ぐらい、年代が合わないからです。しかし最後、奈良元政が宇多津を脱出する時、子供を上方に逃れさせた、との記述ですが、
これはもう間違いなく、摂津垂水荘でしょうね。秀吉の四国平定(1585年)後に、再び宇多津に戻れたということは、垂水荘で
は、戦国期でも安全に暮らせたということです。(東寺領ですからね。)でもやはり、200年もの間、奈良氏が領主(代官)を
やっていたおかげ、でもあると思いますけどね。
で本文に戻り、四国平定後に宇多津に戻った元政の子(孫?)は、宇多津の津郷村に隠れ住んで、一生を終えたそうです。
現在の宇多津町津之郷地区ですね。ここで農民になったのでしょうね。かつての居城、聖通寺城(現聖通寺公園)からも2Km
ぐらいの距離ですので、奈良氏の末裔のひとりとしては、是非とも訪れてみたいと思います。(かなりの遠縁ですけどね。)
こうして、南北朝期から室町後期にかけて、細川氏とともに活躍した讃岐奈良氏は、栄光の?歴史から姿を消した訳なのです
が、この讃岐奈良氏を引き継ぐ形で、歴史上に姿を現したのが、讃岐から遠く離れた、奥州は鹿角郡の奈良氏だったのでした。
(次回へ。)

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