· 

新編武蔵風土記稿で、玉井氏発祥の地?玉井村を読むⅡ。

 いつもこのブログをご覧いただき、誠に有難うございます。

今回は掲示写真が1枚だけになり、通常モードになっておりますです。

このところ、土曜日はずっと雨空でしたが、今日の天気は曇りですね。

 

 さて今回は、成田氏と縁戚関係氏族とされる玉井氏発祥の地、玉井村

の2回目で最後の項目、「玉井四郎陣屋跡」の記述になります。

成田氏の上之村の時は「古城跡」と呼んでいましたよね?、同じ住居跡

の表記でも、成田氏と玉井氏では、城と陣屋ですから、どうも扱いには

差があるようです。でも実態はどちらも同じ、現況田畑だけ!、のよう

ですが。つまり両者、何の痕跡も無いのですね。しかし編者は、伝聞を

頼りに、村の西方に、玉井氏の陣屋跡を夢想しているのでした。

奈良村の時は、奈良氏の館跡に、妙音寺がありましたからね。ですから

玉井村でも、墓も井戸もありましたから、玉井寺の場所が居館跡だった

でも、良かったとは思うのですがねえ。この陣屋跡の特定、どういう

根拠だったんでしょうかね? しかも編者は、読者を納得させるため?に、かなり長い文章を書いていますわね。でもこの長文は、この場所が

玉井四郎の陣屋跡であることを証明するための記述じゃあないのですよ。

何を長々と綴っているのか?と言うと、過去の歴史文献に、どれほど玉井四郎(玉井氏一族)

の名前が登場しているかを、調べた結果を書き綴っているだけなのですよ。陣屋跡の主張には、

何の証拠にもならないのですがねえ。 たくさん調べたよ、というアピールに過ぎないのですわ。

まあもちろん、在地領主である玉井氏が、この時代に存在していた、との証拠にはなっている

のですがね。ピントがずれているのですよ。が一応、玉井四郎登場場面を見てみましょう。

 具体的にはまず、保元物語の白河夜討ちの条での登場、また同じ保元物語の異本、半井本

では、別の場面で、名前を変えての登場、続いて平家物語で、落足(おちあし)の章での登場、

更に吾妻鏡(平家物語?)には、平通盛が兵庫の湊川辺りで討たれる場面にも登場、更には、

元暦元年(1184年)九月二十日の、玉井四郎資重の乱行についての院宣の件、などが書かれて

います。(実は、まだありますけどね。また奈良氏一族も、一緒に登場していますよ。)

 で、ここで編者は考えます。「保元の乱に登場する玉井四郎と、寿永・元暦に登場する

玉井四郎資重の間は26~7年なので、親子なのではないか?と。で、成田氏系図での初代である

成田助高の四男が、玉井氏初代玉井四郎助実で、その子が助家であると書いてあるので、多分、

保元の乱の玉井四郎が助実で、寿永・元暦の玉井四郎資重が助家か助家の兄弟なのではないか?」

と、推定しています。まあいいんですけれどね。でも、この辺りの推論考は、陣屋跡の項ではなく、

玉井四郎の墓の項あたりで、やって頂いた方が良かったと思いますがねえ、、。

で推論に続いては、再び玉井氏の登場シーンの列挙になります。承久の乱の、宇治川合戦の場面

ですね。この時は、奈良氏一族も一緒に登場していますよね。こちらも年代の方がはっきりして

いますから、寿永・元暦の玉井四郎資重とは別人だろうと推定していますが、何とか成田氏系図の

名前と一致させようと、色々試みております。でも、まあぴったり合いますわねえ。

すごいですかね? 私は全然すごくないと思っていますよ。何故なら、この編者はすっかり忘れて

いるのですが、成田氏系図は、後代江戸期に書かれた文書なんです。吾妻鏡の方が当然古く、当時も

多くが読んで知っている訳です。ですから成田氏系図がぴったり合っていても、至極当然なのですよ。

創作と史実が交じり合っている記述を、信じる人間は多いようですね。しかし私は、Wikipediaなどと

違って、成田氏系図を全否定している訳ではありません。逆に、どんなに成田氏系図を全否定した

としても、箱田氏や奈良氏、玉井氏、別府氏の存在を、歴史から消し去ることは出来ないのですからね。

Wikipediaなどは、偽書として成田氏系図を消し去っていますからね。でもこれは明らかに間違いですよ。

成田氏系図にある、奈良氏や別府氏、玉井氏も、一緒に消し去ることになるからです。でも出来ないですよ。

何故なら、成田氏系図だけではなく、数々の歴史史料の中に、奈良氏、玉井氏、別府氏らの、確固たる

存在証拠があるからなのです。つまり、この新編武蔵風土記稿の編者のように、成田氏系図だけを唯一の

根拠・拠り所にして、モノを言っている訳じゃないのですよ。

だからこそ、私の立場は、成田氏系図ももちろん、歴史史料の中の、ひとつの文化財(一部)なのです。

 

 さてそれでは、玉井村に続いて、別府村の方も見て行きましょうか。(次回へ)