健診における眼の検査の将来について、Ⅳ

 眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつもこのブログをご覧頂き、誠に有難うござい

ます。本日の天気は、湿度も温度も高く、いよいよ夏の訪れの予感ですね。

 

さて、現状の健診における眼の検査を、どのように変えて行くべきなのか? について、色々提案を

させて頂いております。視力検査においては、40歳以降から、加齢による老眼チェック(調節力の

低下チェック)を加えるべきであるという提案を、前回させて頂きました。簡単で、しかも受診者の

皆さんの関心も、高いと思われますよ。

 

それでは人間ドック健診で必須検査項目になっている、眼圧測定と眼底検査については、どのように

考えるべきなのでしょうか? まず最初に眼圧測定なのですが、目的は、緑内障という眼の病気の

早期発見を目指すための検査です。例の、視野が狭くなって失明する病気ですわね。日本人の失明

原因の第一位です。ところが最近の調査(多治見スタディ)では、日本人の緑内障患者の7割近くは、

正常眼圧緑内障(NTG)であることが判明したため、スクリーニング検査としての眼圧測定の有効性が、

失われつつある状況なのでした。でもしかし、緑内障患者にとっての眼圧コントロールは、現在でも

重要な治療法なのですわ。ですから、緑内障患者にとって、眼圧測定は、今も重要な検査なのです。

さてそれでは、現在の人間ドックでの眼圧測定は、どのように考えて行けば良いのでしょうかねえ?

私は、スクリーニング検査としての眼圧測定は、必須検査項目から、外すべきである、と考えます。

それでは従来まで続けて来た、ドック健診での緑内障のチェックは、いったいどうなるのでしょうか?

それについて私は、緑内障チェックは続けられると考えています。もうひとつの必須検査項目である

眼底検査の方で、緑内障スクリーニングチェックは、充分可能になって来ているからなんです。

昨今のAI眼底画像診断の進歩によって、緑内障スクリーニングは、眼底写真の方で可能になったのです。

それも発見正答率は、眼圧測定などよりも、べらぼうに高いのです。これを利用しない手はありません。

では眼底検査で緑内障が検出出来るとなれば、従来の眼圧計の方は、もはや不要になるのでしょうか?

私は、緑内障疑いの再検査(精密検査?)で、活用すれば良いと思いますよ。緑内障スクリーニングが

AI眼底診断になることで、緑内障の検出率は飛躍的に高まります。緑内障疫学調査(多治見スタディ)

によれば、40歳以上で5%程度の有病率であるハズなので、毎日100人の受診者がいれば、5人ぐらいは

検出されてしまう計算になります。それら緑内障疑いの患者に、いくらAIの診断とは言え、いきなり

眼科受診を勧めるのはいかがなものか?と、思われるのです。だって本人、自覚症状無しなんですよ。

ここはやはりまず、「要再検査」だと思うのです。で、この再検査時に、眼圧測定を行うのが良いと

考えるのです。でも、日本人の緑内障患者の大多数は、正常眼圧緑内障(NTG)なのですよねえ?

であれば、眼圧測定なんて、無意味なんじゃないでしょうかね? でも実はそこが、少し違いまして、

スクリーニング検査としての眼圧測定は、まあ無意味なのですが、緑内障疑いの患者に対する眼圧測定は、

非常に重要なんです。正常眼圧から更に眼圧を下げるという治療法もありますから。しかし眼圧測定で、

緑内障を診断出来るわけではありません。ここはやはりどうしても、視野検査が必要になるのです。

しかしここは健診施設であり、眼科ではないので、本格的な視野検査をする設備も人も、ありません。

そこで提案させて頂きたいのが、写真にあるFDTスクリーナーという簡易視野検査装置なのです。緑内障の

初期段階を、スクリーニング検査であれば片眼わずか1分程度で測定することが出来ます。健診施設での

視野検査装置として、ふさわしいと考えます。このFDTスクリーナーの検査結果により、AIが提示した

緑内障の疑いを、補強することが出来るのです。FDT検査陽性であれば、自覚症状が無くても、自信を

持って、眼科受診を勧めることが出来ます。FDTの金額は、眼圧計と同じぐらいですよ。でこの装置、

実は2001年の多治見スタディでも、実際の調査で活躍した検査機械なんですよ。

このような形で、健診における緑内障スクリーニングは、変わって行くべきと考えるのです。ですから、

眼科で緑内障の確定診断に使われる、ハンフリー自動視野計や、OCT(三次元光干渉断層計)装置などは

逆に、健診現場では必要ないであろうと、私は考えるのです。

 

さてそれでは、現在の眼底検査(眼底撮影)の方は、どのように変わって行くべきなのでしょうか?

(次回へ)