眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつもこのブログをご訪問頂き、誠に有難う
ございます。本日は、12月なのにぽかぽか、小春日和であります。お正月までずっとこうだと
いいですけれどねえ。
誰でも簡単に受けられるようになった白内障手術について、患者さんからの術後のクレーム
について、色々書かせて頂いております。前回までは、患者さんがパニックに陥ってしまう
ような、術中トラブル例について、少し書かせて頂きました。もちろん全て、私が器械屋と
して、白内障手術の立ち会いをしていて、何度も出会った事例ばかりです。術中トラブルへ
の対応策としても、医療機器は欠かせないものなのですよ。
さて、白内障手術後のクレームでも、手術直後の、良く見える見えないの訴えだけではなく、
最初は良く見えていても、その後暫く経ってから、問題が発生するケースも、実はあります。
数ヶ月から数年経ってから、白内障のように、もやのようなものが掛って来て、見えにくく
なることがあります。また新しい眼の病気だろうか?と、思ってしまいますが、実はこれ、
前回の白内障手術が原因で起きる、「後発白内障」という病気なんです。もちろん手術を受け
た全員が、なる病気ではないのですが、数%以上という、結構な頻度で発生するんですね。
眼内レンズは多くの場合、水晶体が入っていた水晶体嚢(カプセル)と呼ばれる袋の中に固定
されるのですが、袋の前面は、濁った水晶体を破砕吸引したり、眼内レンズを挿入するために、
丸く切り開かれているんですが、後ろ側は、袋のままである訳なんです。後嚢と言います。
で、レンズを入れる前に、後嚢研磨と申しまして、後嚢に付着している残存細胞を、なるべく
除去する訳なんですが、なかなかきれいに取り除くことは難しい訳で、その後、残存細胞が
増殖しまして、後嚢を混濁させることがあるのです。これが後発白内障になるのですわ。
で、写真は、後発白内障の治療機であるYAGレーザー装置と言います。眼科には、様々なレーザー
装置が存在するのですが、YAGレーザーは、ピンポイント部位の破砕や切開を目的とする、パルス型
のレーザーです。後発白内障になりますと、見えにくくなるのですが、その原因は、後嚢という薄い
袋の膜が1枚?、濁っているだけなんですね。そこでYAGレーザーを用いて、この濁っている膜だけを
ピンポイントで破砕・切開する訳なんです。すると、後嚢の袋の中には眼内レンズが固定されています
から、膜にはテンションが掛っているため、ちょっと切開しただけでも、切開はパッと膜全体に広がり、
濁りが取り除かれて、後発白内障の症状が改善する訳なのです。これがYAGレーザー手術です。
処置の所要時間は、10分もかからないと思います。昔はYAGレーザーも高価で、病院収益的にもペイ
する機器ではないため、YAGは持っていない施設も多かったのですが、現在では、価格も下がって来て、
多くの施設で、YAGレーザー手術を受けることが可能になって来ています。
でもまあ厚労省の考えとしても、「所詮、リ・オペ(再手術)じゃあないか!」ということで、高い
手術点数など、付けられない訳ですし、患者さんの立場としても、「何でまた再び!」という感じなハズ
ですから、仮にYAGレーザーの処置で、再び良く見えるようになったとしても、それほど感謝は出来ない
ということで、後発白内障は、医師にとっても患者にとっても、かなりトホホな病気であると、言える
ようです。
しかし後発白内障の場合でしたら、まだトホホで済むのですが、トホホじゃあ済まされないような、怖い
術後トラブルだって、実は存在するのですよ。(次回へ)

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