眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつもこのブログをご覧頂き、誠に有難う
ございます。 本日は良い天気で、少し暖かいような気がしますね。
前回は、白内障手術の最中に起る可能性のある術中トラブルの例として、破嚢(ラプチャ-)
と、硝子体脱出について、簡単にご説明させて頂きました。手術時間も長くなり、患者さん
としては、クレームのひとつも出したくなる所かも知れませんが、100%安全な手術はありま
せんので、ここはぐっと我慢して頂ければと、思います。だって、破嚢した原因が、患者さん
の側にある場合(急に眼が動いた!等)だって、あるのですからね。きちんと対処をすれば、
眼内レンズの移植も可能な訳なのです。ですから、万一術中トラブルが発生しても、術中に
パニックだけは起こさないようにして頂ければと、思います。(先生も、なんですけど、、。)
前回の例の他にも、様々な術中トラブルの可能性はあるのですが、発生確率的には低いものです。
ただもうひとつ、破嚢以外にも、挙げておくべきトラブル対処として、チン小帯脆弱、断裂などの
患者さんに対する白内障手術対処のことも、お伝えしておく必要が、あると思われます。
水晶体は、水晶体嚢(カプセル)と呼ばれる袋の中に入っていて、この袋が、チン小帯という線維
で繋がって、ぶら下がっているというイメージです。で、白内障手術は、水晶体嚢(カプセル)を
温存しながら、上部に開けた丸い穴から、超音波チップを挿入して、濁った水晶体を破砕・吸引し、
空になった水晶体嚢(カプセル)の中に眼内レンズを移植固定する、というイメージになります。
ですから、水晶体嚢(カプセル)袋を吊るしているチン小帯が、弱かったり切れたりしていますと、
袋内の操作である白内障手術が出来なかったり、眼内レンズが入れられなくなったりするのですわ。
この状況は、術前の検査で判る場合もあるのですが、術中に判明する場合もあります。この術中に
判った場合が、術中トラブルになる訳なのです。
昔でしたら、手術を続行して、水晶体落下など更なる合併症を発生させる場合もあるため、手術中止
になることもありましたが、現在では、写真のような新しい器具も出来て、手術を続行することが
出来るようになりました。と申しましても、ただの「輪っか」みたいですよねえ? 牛の鼻輪か?
この器具の名称は、カプセル・テンション・リング(CTR)と言います。実は、このリングを
水晶体嚢内に挿入することにより、後嚢が安定し、手術が可能になります。(まあ、理屈は良く
判らなくとも、このような器具があると言うことだけは、知っておいて頂きたいと思います。)
数年前に、HOYAさんから、ようやく発売になりました。プラスチック製で、ぱっと見、たいした
器具には見えないのですが、無いと怖くて手術が出来ないため、昔はドイツやフランスの海外製品を
密輸するしかありませんでした。ですから、手術出来ない、と言われた患者さんだっていたのですよ。
当然のことながら、CTR適用になれば、手術時間は当然長くなります。でもクレームを言おうかと
思う前に考えて欲しいのです。手術が失敗するかも知れない眼を、CTRが救ってくれたのだと、、。
なお、チン小帯脆弱や断裂症例に対する同様の器具は、HOYAさんのCTRの他に、はんだやさんの
カプセルエキスパンダ-という器具もありますが、こちらは埋め込み器具ではなく、術中一時的に
水晶体嚢(カプセル)を糸で引っ張り上げて、白内障手術を続行するための器具になります。
いずれにせよ、少し専門的になりましたが、白内障手術と言えども、本当は色々、トラブルの類も
あるのですよねえ。(次回へ)

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