白内障について、Ⅵ

 眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつもこのブログをご覧頂き、誠に

有難うございます。本日も、それほど寒くない12月が、続いておりますねえ。

 

白内障手術後に発せられる様々なクレームの中で、最近流行りの多焦点眼内レンズに

ついての問題点について、前回ご説明させて頂きました。で、見え方の程度の問題

以外にも、クレームに繋がりかねない状況として、手術費用負担の問題があるのです。 

ご承知の通り、白内障手術は保険適用手術でして、3割負担患者でも両眼で、10万円

ぐらい(日帰り、入院等で変わる。)なのですが、この際の眼内レンズは、単焦点の

レンズだけなんです。つまり、多焦点眼内レンズを希望する場合には、保険適用外に

なってしまうのです。で、その費用は、80万円~100万円ぐらい(施設により異なる)になります。かなり大きな金額差ですよね? この原因は、多焦点眼内レンズが、保険

適用になっていないからなんです。レンズの違いだけなのに、こんな大きな差になるの

ですねえ。支払いの方法としては、自由診療で支払うか、先進医療保険で支払うという方法があります。(要は生命保険の特約ですわね。)

 

実は眼内レンズ手術の黎明期にも、自由診療という、同様な状況があったのでした。

私が医療器械屋になりたての、1980年頃は、実は眼内レンズ自体が、薬事未承認品で

ありまして、眼内レンズ手術をされる先生の医師免許のコピーを頂いて、個人輸入の

お手伝いなどをしておりました。ですから眼内レンズ手術も当然ながら、自由診療でし

た。それでも当時の費用は、片眼15~20万円ぐらいでしたね。(施設によります。)

その後1984年に、眼内レンズの薬事承認が下りたのですが、保険適用にはならなかったの

ですよ。ですから、レンズの密輸?はしなくても良くはなったのですが、やはり自由診療に

変わりはなかったのです。しかしこの頃から、眼内レンズ手術は、爆発的に全国に普及して

行くことになります。国内の眼科医全体に、眼内レンズ手術への熱気がありましたね。

ですから、採算度外視の先生方もいらっしゃいまして、その後の手術費用も、片眼8万円~20万円と、

ばらついて来ました。手術実績を積みたかったんですね?(でもこの頃の白内障手術の方は、

超音波法だけじゃあなく、計画的嚢外法:P-ECCE という手技の場合もあったんです。)

そして暫く、この自由診療の時期が続きまして、1992年宮沢内閣でようやく、眼内レンズは

保険適用になり、白内障手術(眼内レンズ代含む)で、16,100点の点数が付いたのでした。

本当は、厚生省としては、眼内レンズ代を別に算定したかったのですが、公明党からの要求に

より、白内障手術点数の中に眼内レンズ代も一緒に入れてしまうことになったのですね。

それで、レンズ代も含めて、両眼で10万円ぐらいで、手術を受けることが出来るようになったの

でした。こりゃ、全国に普及する訳ですわねえ。この当時は、多焦点眼内レンズ等が出て来るとは、

思いもよらなかったのでしょうね。ですから保険適用外の眼内レンズが出て来ると、白内障手術

全体が、全額保険適用外になってしまう、という事態になるのでした。だから高いのですわ。

眼内レンズ代だけの問題ではなくなるのですねえ。 

 

ところで現在、多焦点眼内レンズも採用している施設では、移植眼内レンズの選択を、患者さん

の選択判断に委ねているのですね。とすると、お金に余裕のある患者さんは、高額であっても、

より良い医療?を、というお考えから、多焦点眼内レンズを選択することになるのです。

この時患者さんは、金額差に見合う結果効果を、実は期待していたりする訳なのですよ。

そしてこの時問題になるのが、はたしてこの差額分の効果があったのかどうか?、なのです。

前回のブログ(多焦点眼内レンズの限界性)をご覧になられて、皆さんはどのようにお考えに

なりますでしょうかね? もちろん人により違う、とは思うんですけどね、、、。

ただ、お金持ちって逆に、結構権利意識が強いような気もするんですけどね。80万円ぐらいの

差額に、納得出来るかどうか?、なんですが、、。※特に生保ではなく、自費の場合ですね。

いずれにせよ、この金額差によって、見える期待感の方は、増幅されているであろうことは、

間違いないのです。期待感が、失望感に変わらなければ良いのですが、、、。(次回へ)