医療器械屋という仕事の将来についてⅩⅠ

 眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつもこのブログをご覧頂き、誠に有難う

ございます。で、何故か突然イラストが、謝罪からお悩み?に、変わったみたいですね。

 

前回までは、眼科業界における眼科機器専門業者による、昔のいかがわしい行為?について、

色々お話しさせて頂いた訳ですが、眼科機器の分野に限らず、多くの医療器械分野に於いて、

医療器械屋の専門分化が進行しました。メーカーだけが専門化するのではなく、販売業者の

方も、医療器械の何でも屋さんから、各分野ごとの少数精鋭での専門ディーラーへと、業態

の変化が、広く進行して行ったのでした。より利益が得られる形へと、変化した訳です。

 

そしてその一方で、古くからの一般医療器械屋は?というと、毎日の医療消耗品類を配送

するのが日課となり、粗利益・収益性も低下して行きました。つまり医療機器商売の、おい

しい部分は、各分野の専門業者に持って行かれ、残った、手間だけかかる、細かい配送業務

だけが、一般医療器械屋としての任務?になってしまったのでした。この業態変化は、医療

機関における医療器具類のディスポーザブル化(使い捨て化)の拡大・増大が原因ですが、

毎日定期的に訪問してくれるのは、地元の一般医療器械屋だけだった、という訳なのでした。

これ、医療器械屋と言うよりは、運送屋? ですかねえ。まあ運搬業務だけであれば、専門

知識などは無くても済むんですけどねえ、、、。

 

このように古くからの一般医療器械屋が、消耗品類を運搬する、単なる配送業者になって

参りますと、その利益率は、更に低下して行くことになるのでした。どういうことかと申し

ますと、昔の医療器械屋は、それなりに高価な、高付加価値医療機器を販売して、利益を得て

いた訳なんですが、現在の一般医療器械屋は、極端に言えば、消耗品運搬の運送料分の利益しか、

得られなくなって行った、ということなのです。まあ宅配便業者みたいになった、ということです

かね? いえいえ、実はそれよりひどいのですよ。何故なら、宅配便業者は、配達荷物の在庫?

なんて持ちませんよね? しかし一般医療器械屋は、運送に加えて、商品の在庫まで持つのですよ。

だって得意先病院に対しては、医療器具の欠品は許されないのですよね。それなのに、運送料分の

利益しか、得られないのですわ。これでは商売になりませんですよね? 

昔は確か、もっと高利益だったハズですよね?どうして医療機器の商売で、これほど利益が得られ

なくなって行ったのでしょうか? 以前のブログでご紹介した、専門医療機器業者の進出が、一般

医療器械屋(何でも屋)の衰退を招いたという点は、その通りなんですが、もっと社会的な背景も

ある訳でして、そのひとつに、政府の総医療費抑制策があることは、言うまでもありません。

しかしもっと直接的な原因は、全国ほとんどの公的病院の赤字化の問題の方なんです。

少子高齢化により、介護も含めた総医療費だけはどんどん上昇しているのに、地方財政の悪化により、

従来行われていた病院赤字への補填が、難しくなって来たからなのでした。昔は赤字でも、事務方は、

全然気にも留めなかったのですよ。なんたって、医療は特別でしたからね。それがお尻に火がついて

来まして、大病院であっても、経費を減らす努力を、せざるを得なくなった訳なのです。

でも、医師・看護師不足の方は深刻ですので、人件費を削る訳には行きません。そこで事務方が目を

付けたのが、医療消耗材料費の削減策だったのでした。だって、高額医薬品とか高額医療機器などは、

先生側のガードがきつくて、削減は難しいからなんです。医療消耗材料費であれば、相対的に単価も

安く、目立たないので、事務方でも何とか出来そうです。そこで当時、アメリカで普及し始めていた、

「SPD」という、消耗品の新しい院内物流管理システムを、取り入れてみることになったのでした。

このSPDが、一般医療器械屋の利益を、更に完璧に奪ってしまうことになります。(次回へ)