医療器械屋という仕事の将来についてⅧ

 眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつもこのブログをご訪問頂き、誠に有難う

ございます。梅雨に入り、ちょっと肌寒い毎日ですね。

過去の医療器械屋の「やんちゃ」について、お詫び・謝罪を込めたブログが続いております。

 

バブル崩壊後の90年代になっても、医療業界の懲りない面々は、有利な商売を維持するために、

手を変え品を変えながら、新しいリベート構造を作り出して行くのですが、昔のような単純な

手口ではなく、より専門的で巧妙になって行きましたので、外部からは、なかなか判らない

状況になりました。ですから私は、自分の専門分野であった、眼科機器を活用したリベートの 

構造しか存じ上げませんですが、他の分野でも多分、同様な状況ではないか?と、思いますね。

 

で前回ご紹介した、当時、薬事承認を受けたばかりの眼内レンズ(人工水晶体)が、その手段

として活用されたのでした。承認当初の眼内レンズは、販売は許可されたんですが、保険収載

にはならなかったんですね。それで眼内レンズ移植手術をする施設は、患者さんへのレンズ代の

請求金額を、当時は自由に設定することが可能だったんです。で実はこの眼内レンズ、薬事承認

の以前から、既に国内かなりの施設で、広く使用されていたのです。地域の有名眼科が多かった

ようですね。その当時の眼内レンズは、医師免許を使って、アメリカから輸入をしていました。

ホントはまずいんですが、当時は、その輸入を代行してくれる業者さんもいらっしゃいましたね。

当時の先生方も、眼内レンズ移植手術の普及、という強い使命感を持っていらっしゃいましたので、未承認ながら、すごい熱気もありました。(承認後、眼内レンズの学会も、誕生しましたね。)

ですからレンズ代は、施設ごとに自由に設定出来たハズなんですが、何故かどこの施設も、片眼

10万円が相場になっていましたね。当時の輸入代行価格は、べらぼうに高く、レンズ代以外にも

薬剤とか器具類も、色々必要でしたから、レンズ代10万円では、施設はほとんど儲からなかった

と思いますね。ただ、このレンズ代10万円という金額が、薬事承認後も、独り歩きして行くので

ありました。つまり、「今まで患者さんへ、10万円で請求しているのですから、レンズの定価は

8万円ぐらいでいいですよね? でも先生方には、もっとお安く提供させて頂きますんで。」と

言う訳で、仕入・輸入原価に対して、実はべらぼうな定価設定が、出来あがって行ったのでした。

もちろん病院施設への納入価は、定価と言う訳には行きませんので、当時は3割引きぐらいかな?

それくらいで納入されていましたけどね。それでもまだ、大きな差益があったのです。

このことが、医師との、眼内レンズのキックバックリベート構造の、原資になる訳なのでした。

特に、病院等の勤務医の先生に対して、レンズ販売に連動して、キックバックを行ったのでした。

当時のリベート構造は、結構単純でしたね。先生との直接交渉で、レンズ1枚あたりいくら、という

直接キックバックの構造でした。キックバック金額をプール(預かり)しておくのですよ。ですから

先生方にも、特に罪悪感は無かったと思いますね。何故なら「バックはいくら?」などと、当時は

平然とお聞きになっていましたから、、、。 皮肉なことに、この直接キックバック方式によって、

眼内レンズ手術の方は、全国の眼科施設に、またたく間に広がって行ったのでありました。(功罪?)

 

このように眼内レンズ手術が広まって行きますと、先生方にとっては、大変おいしい余禄なのですが、

企業の側にとって、直接のキックバック支出は、官公立病院に於いては、贈賄汚職を指摘されますし、

経理・税務処理の面でも大きな問題になって来るのでした。その結果、眼内レンズ輸入メーカー各企業

は、間もなく直接のキックバックは、出来ないことになります。これによって、キックバックが無く

なったのか?というと、実は、さにあらずでして、別にキックバックを代行する方々が、更に暗躍する

ことになるのですよ。(次回へ)