視覚障害者向けIoT機器Ⅳ

 眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつも、このブログをご愛読頂き、誠に有難うございます。春の訪れと共に、

健診シーズンも到来しております。眼底カメラだけではなく、視力計もレンタルしておりますので、よろしくお願いします。

 

 ここのところ、IoT技術を活用した眼鏡型の文字読み上げ装置(3枚目写真)の紹介を発端として、それらの機器にまつわる、

視覚障害者向けの読書器の発展の歴史、のようなお話しを、させて頂いております。

1990年代に、1枚目写真の「拡大読書器」が、ロービジョンの方々にとってのブームが起きたのですが、でも拡大読書器を

使用しても、読むことが出来ない視覚障害者の方は、当然ながらいらっしゃる訳でして、その方々のための「音声読み上げ

装置」の開発も、当時は平行して、研究開発されていたようです。(通産省と、NEC、アンリツが研究していたそうですね。)

前回のブログで、「拡大読書器」の金額が、当時20万円弱もした、とお話ししたのですが、その当時市販された「音声読み

上げ装置」の金額は、300万円以上も、したそうですから、これでは誰も、使えない装置(実験機?)だった訳ですね。

 

で、2枚目の写真は、2000年代に入って登場した「音声読書器」です。金額も、拡大読書器と同程度になり、同様に普及する

ようになりました。ご覧頂いてお判りの通り、「拡大読書器」と「音声読書器」は、形状がまったく違いますね。何故なら、

使われている基本技術が、まったく異なるためです。「拡大読書器」の方は、テレビとCCDカメラの技術が使われましたが、

「音声読書器」の方は、コンピュータ技術とOCRというスキャナー技術の進歩によって、ようやく登場して来たのでした。

「音声読書器」は、読みたい文書をスキャンすることによって、装置が文字を認識し、更に音声に変換する、という装置です。

文字をコンピュータが認識するためには、OCR(光学的文字認識)技術の発展が欠かせませんでした。 皆さんも、名刺管理

ソフトなど?で、OCR技術を活用されていると思います。日本で最初のOCR技術の実用化は、郵便番号の読み取り装置から

始まった、と言われております。また音声合成技術の方は、カーナビ音声などへの応用で一般に広く知られている技術ですが、

コンピュータの普及により、視覚障害者向けには、PC用の「スクリーンリーダー」(画面読み上げソフト)として、広く

活用されているようです。無料ソフトも色々ありますよね。このOCR技術と音声変換技術の発展によって「音声読書器」は、

生み出されたのでした。

 

ここで留意しなければならない点は、福祉機器に流用出来るようになるまで、これらの技術のコストが下がった、ということ

なのです。前回の「拡大読書器」の際も申し上げましたが、CCDカメラが爆発的に普及して、コストが下がったことによって、

「拡大読書器」は、ようやく福祉機器として商品化され、広く普及することが出来たのです。

「音声読書器」も、まったく同様であると思います。今では、OCRソフトも、テキスト音声変換ソフトも、無料のソフトが

広く出回っているほどですからねえ。それだけ、この技術を利用・活用するための敷居が、低くなっている訳なのです。

今後、福祉機器を開発される予定の技術者の方は、是非この点に御留意頂ければと、思います。

 

で、「音声読書器」で面白いのは、最近の機種では、「拡大読書器」のTV表示機能も取り込んだ機種が発売されている点です。

同じ視覚障害者と言っても、「音声読書器」と「拡大読書器」では、ユーザー層は、違うと思うんですけれどねえ。でも今では

何故か、合体しているんですわ。両方必要なユーザーさんもいらっしゃる、ということなんでしょうかねえ?

まあ、基本技術的な側面で言えば、ビデオカメラとOCRと音声変換技術ですね。ということで、これらの基本技術を引き継いで、

更にIoT、クラウド技術の発展を付け加えることによって、最新の「メガネ型文字読み上げ装置」(3枚目写真)は、出来上がって

来ているのだなあ、と理解出来る訳なのです。

この新しいウェアラブルIoT端末ですが、今後は是非、販売金額も安くなって、給付も付いて、視覚障害をお持ちの方々に、広く

普及して頂ければと、思いますね。「オトングラス」は、東京高田馬場の、日本点字図書館の売店等で、展示されているようです。