医療器械屋から見る、眼底検診普及の歴史Ⅳ

 検診用眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。9月に入っておりますが、

皆様いかがお過ごしでしょうか? そろそろ秋の健診シーズンも始まりますね。

    

無散瞳眼底カメラの出現によって、眼底検診が広く普及して行った歴史的経緯

について、お話しさせて頂いております。前回は、世界初の無散瞳眼底カメラ

に装着されていた35mmカメラが、ポラロイドカメラ装着に変わり、撮影して

すぐに、眼底写真を確認する事が出来るようになった、というお話しでした。

その効果によって、80年代に入りますと検診現場へのデモンストレーションの

依頼が急増して来ます。まずは、貸し出しで使ってみたいというご依頼でした。

逆に言うと、無散瞳眼底カメラの登場によって、どんな現場状況でも、デモで

あっても、簡単に眼底検査が行えるようになった、ということなのでした。

買って頂くためには、まずは使ってみて頂かねばなりません。そのため当時の

キヤノンさんは、デモ機貸し出しにも積極的でしたね。(現在とは違う?)

 

私も、デモのために、様々な検診現場へ、眼底カメラを運搬させて頂きました。

最初の頃は、我々医療器械屋も、眼底カメラの操作方法や説明のやり方が、まだ

よく判らないものですから、もっぱら機器の運搬や検診現場への先導が、我々の

任務でした。検診場所としましては、体育館や公民館みたいなところが多かった

ように記憶しております。そのような場所では、衝立てによる簡易間仕切りぐらい

しかなくて、暗室なんてありませんから、写真のような、黒い簡易暗幕を、一緒に

設置しました。当時の無散瞳眼底カメラは、自然散瞳で5.0mm以上開かないと撮影が

出来ませんでしたから、患者さんは、この簡易暗幕の中で、しばらくじっと、自然散瞳を

待つのが一般的でした。(この簡易暗幕、洗濯なんてしないでずっと使い続けているので、

暗幕の中は、むっとして、結構臭かったりしましたね。)

 

また眼底カメラのデモでは、スタッフの方々に取り扱い説明をしてから、スタッフの

皆さんに検診眼底撮影をして頂くのですが、当時はよく、我々器械屋が、撮影操作を

やらされたものでした。現在でしたら、無資格違法行為ですよねえ。(当時の論拠は、

患者さんには非接触であるから、特に問題は無い、というものでしたが、、、。)

そして検診現場は熱心で、熱気があふれていました。ですから、眼底カメラのデモをした

後には、多くの場合、注文依頼が舞い込んだのでした。(でも、値引きは悪かったですね、

現在とは違って、キヤノンさんは売れて当然、というような状況でしたから、、、。)

 

このようにして、無散瞳眼底カメラと言えばキヤノン、と言われるような、確固たる地位

を、キヤノンさんは、当時の検診業界に築いたのでありました。 (次回へ)