医療器械屋から見る、眼底検診普及の歴史。

 眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。お盆明けながら、まだまだ残暑厳しい中、このようなブログを

ご訪問頂き、誠に有難うございます。

  

 人間ドック以外の健診では、現在すっかり衰退してしまった?、眼底検査なのですが、10年ぐらい前までは、

集団健診でのルーチン検査項目として、全国的に広く普及しておりました。潮目が変わって衰退し始めたのは、

ご承知の通り、2008年の特定健診(メタボ健診)が始まってからでしたね。(以前のブログを、ご参照。)

でそれまでの間、眼底検査が、どうしてここまで広く普及したのか? というのが、今回のブログテーマです。

もちろん私が存じ上げているのは、あくまで、医療器械屋の側から見た、眼底検診普及の経緯ですけれどね。

実はこのような流れがあったのですよ、、、。

    

 1970年代末に、世界初の無散瞳眼底カメラが、キヤノンさんによって発売されるまで、健診の現場において、

眼底検査がまったく実施されなかった訳ではありません。特に循環器系の検診においては、眼底検査の重要性は、

既に広く認識されていました。高血圧とか脳卒中などの検診ですね。その際に使用されていた眼底観察用器具が、

1枚目写真の直像鏡(検眼鏡)と呼ばれる器具でした。比較的簡単?に、眼底を観察出来るため、当時の検診の

現場では、内科の先生にも、結構活用されていたようです。もちろん当時の眼科では、広く普及していました。

現在でも販売はされていますが、眼科では、もうほとんど使用されない検査器具になってしまっていますね。

その理由は、観察出来る画角が非常に狭く、且つ、観察倍率が非常に高かったからでした。ですから、直像鏡で

眼底を検査するのは、非常に大変で、熟練を必要としたようです。少しでも患者さんの眼が、ずれていると、

すぐに眼底は見えなくなってしまいますし、視野が狭く高倍率のため、大きな視神経乳頭部を探し出すのも大変

だったようです。(全体像が見えないからですね。)

また当時の直像鏡による眼底検査は、点眼、散瞳して実施していたようですから、緑内障眼によるショックの

危険性もあったようです。(直像鏡では、散瞳しないと、眼底の広範囲が見えないんですよね。)

更に直像鏡では、検査の際に、患者さんの顔から、5cmぐらいの距離まで顔を近づけないと、眼底が覗けないん

ですよね。顔と顔の距離が近すぎるので、特に若い女性などからは、毛嫌いされたようです。(笑)

まあそれでも、検診の現場で広く活用されたのは、やはり眼底検査の重要性が、内科の先生方にも認識されて

いたから、なのでありました。

 

何とかもっとリスク無く簡単に、眼底検査が出来ないものか?と、ようやく開発されたのが、キヤノンさんの

無散瞳眼底カメラであった訳です。写真は、初代のCR1型ではなく、ポラロイドカメラが搭載されたCR3型の

写真なのですが、ポラロイドカメラ部分を35mmカメラに替えると、ボディは、ほぼCR1型と同様のようです。

(私実は、初代のCR1型は、見たことが無いのですよ、、、。)

この世界初の無散瞳眼底カメラの発売によって、直像鏡による眼底検査の難しさを克服して、眼底カメラが、

必須の眼底検査機器として、検診現場で確立されて行くことになります。(次回へ。)