眼底カメラと画像ファイリングⅦ

 7月に入り、暑さのため、ぐったりしている、眼底カメラレンタルの眼底メディカルです。いつもご訪問頂き、有難うございます。

 

今回の写真は、何故かトプコンさんのコマーシャルになってしまいましたが、眼底カメラ用画像ファイリングシステムから始まったIMAGEnetの、現在の広告です。IMAGEnetの名称は、そのままのようですね。でも一般名称は、「眼科電子カルテシステム?」と

なっていますよね? 今回は、そのあたり、電子カルテのお話しを、、、。

 

前回は、1990年代後半に、眼科用画像ファイリングシステムは、各種眼科検査機器を取り込んで、眼科システムになったけれど、

大学病院、総合病院の各科部門は、揃ってDICOM接続という、特別な流れ?になっていた!、というお話しをさせて頂きました。

そんな中、2000年代に入ってすぐの2001年に、厚生労働省より、「保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン」という

指針が策定・発表されました。何のことか?と申しますと、要は、大病院を先頭に、電子カルテ化を、ガンガン推進して行こう、

という宣言でした。この動きに触発される形で、医療業界では、空前の電子カルテ化ブームが、巻き起こることになります。

元々電子カルテとは、紙カルテ(診療記録)の電子化のことで、眼底写真の時と同様に、大量の紙の整理・保管が、問題になって

いました。ですから電子カルテ化とは、単に紙カルテを止めて、デジタル診療録化することだと思われていました。(前回ブログ

の概念図で、HISと呼ばれる病院情報機能部分の中の、更にその一部分が電子カルテ部分である、というような認識です。)

ところが、紙カルテを止めて電子カルテになることは、実は膨大な、院内システムの構築とリンクしている、ということが、

徐々に判って参りまして、今では電子カルテとは、HIS全体やPACSまでも包含した、トータルな考え方にも、なって来ています。

ですから、トプコンさんの現在のIMAGEnetは、眼科用電子カルテでもあるし、眼科用ファイリングシステムでもあるし、眼科用

レセプトコンピュータでもあったりもします。(まあ、眼科ではこれ1台、っていう感じですかね。)

 

ところで、大病院、総合病院での電子カルテ化は、2000年代に入り、どのように推移したのでしょうか? レセプトコンピュータ

は、既にそれ以前より、導入は進んでおりまして、次のステップとして、当時導入が進んでいたのが、オーダリングシステムの導入

でした。放射線技師さんとか臨床検査技師さんにとっては、お馴染みのシステムですが、眼科分野の人間にとっては、良く判らない

システムでした。だって、検査オーダーを検査部門へ出すシステム?って、理解が出来なかったからです。眼科はほとんどの検査が、

自家試験ですから、院内のよその部署に検査依頼(オーダー)を出すなんてこと、考えられないのですよ、、、。

でも、病院全体の意識としては、このオーダリングシステムの導入が、病院電子カルテ化の第一歩だと、考えられていたようです。

何故なら、導入と同時に、院内各所にくまなく、PC端末が導入されましたからね。(眼科を除き?)

このようにして、大病院、総合病院では、このオーダリングシステムの導入を足がかりとして、厚労省の掛け声の下、PACSの導入、

電子カルテ化へと、前回の概念図の流れで、進行して行った訳でした。

 

さてこうして出来上がった、大病院、総合病院向け電子カルテ(診療録)部分なのですが、残念ながら、眼科では使い物にならない

代物でした。内科の診療録をベースにした全科向け電子カルテを、多少のカスタマイズは可能とは言え、眼科で使用するには、大変

な困難がありました。例えば診療スタイルなんですが、他科では、最初に診察があって、それから検査ですよね? ところが眼科は、

最初に各種検査があって、それから診察なんです。カルテの流れも、まったく違うんですねえ。

と言う訳で、既存の総合病院向け電子カルテが、眼科では使い物にならなかったので、眼科部門システムは、眼科専用電子カルテに、

成らざるを得なかったのでした。ですから現在、トプコンIMAGEnetは、「眼科電子カルテシステム」という表示になっている訳

なのです。現在のライバル社のニデックさんも、NAVISという名称で、同様の眼科電子カルテシステムを、販売していますよ。

 

という経緯で、現在多くの総合病院では、院内電子カルテシステムの下に、眼科部門システムが紐付けられているのですが、それは、

このような事情があったからなんですねえ。そしてその発端は、何と眼底カメラだった、というお話しでありました。

以上、眼底カメラから始まった、画像ファイリングシステムの歴史的流れ、でした。