健診用の眼圧計についてⅢ

 眼底カメラ無償レンタルの眼底メディカルです。いつもこの、訳のわからないブログを

ご覧頂き、誠に恐縮であります。

 

前回のブログの最後に、最近の非接触眼圧計が変化して来ている、というお話しをさせて頂き

ました。ここ3~4年の出来ごとですので、それ以前からの眼圧計を使い続けていらっしゃる

施設のスタッフさんは、ご存知ないかも知れませんが、現在の非接触眼圧計は、パキ付とパキ

無しの、2種類の機種が、販売されているのです。購入時は、どちらかを選択しなければなら

ない訳です。何それ?、という感じですよね。そもそも、パキって何?、なんですけれど、、、

多くのユーザーさんの立場では、何故か、ある日突然現れた、という印象だと思われます。

実はこの製品構成は、トプコンさんに限らず、ニデックさんやキャノンさんでも、同様です。

いったい、非接触眼圧計に、何が起こったのでしょうか?

 

眼圧計のスタンダードは、ゴールドマン氏アプラネーショントノメーター(GAT)という、

先生が診察室で、角膜に青い光を当てて測定する、接触式の眼圧計です。1950年代後半に

ゴールドマン先生によって開発されました。この眼圧計が、眼科での眼圧計測の、基準器です。

で、1980年代になって、簡便な非接触眼圧計が発売された訳ですが、当時から、測定値は、

GATと比べて、どうなのか?、という議論がありました。でも眼圧測定は血圧と似ていて、計測

する度に、数値は微妙に異なり、測定する時間や環境によっても異なるため、スクリーニング

的には非接触眼圧計、厳密に測定するにはGAT、というような住み分けが、出来上がって行きました。

数値にさほど大きな差は無かろう、という前提だったと思われます。しかし私の経験では、多くの先生方

から、非接触眼圧計の方が若干、値が高く出る、というお話しは、実はよく、お聞きしていました。

(※各メーカーによっても、ばらつき傾向がありましたね。業界内のうわさみたいなモノです。)

が、あまり大きな声では言えませんでしたね。何故なら、私は、非接触眼圧計を販売している器械屋さん

でしたから、、、。だって、非接触眼圧計の方が、低く出ることだってあるんですよお!、、、。

また、GATだって、測定者によって、値が変わったりするじゃあないですか、、、(環境によるのです。)

実は、このような状況認識の中で、非接触眼圧計は、眼科、ドック・健診施設に、広く普及していたのでした。

 

そうこうする中、ここ4~5年の中で再び、非接触眼圧計の値について、議論が巻き起こってしまったのです。

それは、出て来る眼圧値と、角膜の厚みの関係の問題でした。先日の私のブログで、コンタクトを装着したままの

眼圧測定はダメですよと、書かせて頂きました。コンタクトの分だけ、角膜が厚くなるからでしたね。

それと同様の考え方で、角膜の厚みが薄いと、眼圧値が大きく異なって来る、という事態が出現し始めたのでした。

原因は、流行りのレーシック(近視矯正)手術の普及でした。術後の患者さん達が、非接触眼圧測定を受けるように

なって来たのでした。レーシックは、角膜をレーザーで薄く削って、角膜の屈折を変えて、近視を矯正する手術です。

従って術後の角膜は、当然薄くなるので、非接触での眼圧値は、実際よりも、低く出るようになってしまったのです。

(※本当の眼内圧値は、変わらないのに、表示が低く出るのです。)

これが問題となって、各メーカーとも、非接触眼圧計に、角膜厚測定機能を付けて、角膜厚に合わせて、眼圧値を補正

する必要が出て来ました。この角膜厚測定機能のことを、パキと呼んでいます。(専用の測定器械もあります。)

レーシック手術の患者さんが増えなければ、非接触眼圧計も、2種類も出さなくて済んだものを、という複雑な状況

になってしまった訳ですね。

でも、多くの、従来からの非接触眼圧計を使い続けている施設さんは、いったいどうしたら良いのでしょうかねえ?、、。