糖尿病網膜症と、医療器械屋の関わりについて。

 眼底カメラの無償レンタルを始めました、眼底メディカルです。あまり面白くもない

ブログをご覧頂き、誠に有難うございます。

     

私、36年間、眼底カメラを中心とする、眼科の医療器械屋を続けて来た訳なのですが、

病気・疾患の側から見てみますと、36年間ずっと、糖尿病網膜症との付き合いであった、

という事実が、最近判りました。つまり、今まで仕事に関わった眼科医療機器の多くが、

糖尿病網膜症に関わる医療機器であった、ということです。ちょっと不思議な感じです。

       

 糖尿病網膜症は、ご承知の通り、長期間の糖尿病が悪化して、眼に発症する合併症なの

ですが、多くの場合、健診等の眼底撮影で発見されます。この際使用される眼底カメラは今も私、扱っておりますですね。糖尿病網膜症の初期症状である、単純網膜症を発見した

健診・内科施設さんは、「要精密検査」として患者さんに、眼科受診を強く勧める訳ですが、自覚症状のまったく無い患者さんの側は、意に介さず、眼科を受診せずに過ごしてしまいますです。⇒ それから数年経過。

    

で、ある日突然、急激に視力が低下して来たり、視界の一部が黒く欠けて見えたり、ものが歪んで

見えたりして来て、大変だ大変だ!と、大慌てで眼科を受診することになります。

この時眼科では、前回までのブログでご紹介させて頂いた、OCTという断層撮影装置が、大活躍します。

その診断の結果、糖尿病網膜症は、かなり進行して来ていて、網膜剥離や浮腫が発生している可能性も、

判明してしまいます。

そこで眼科施設では、どういう治療をするかと申しますと、まずはこれ以上の悪化を食い止めるために、

網膜レーザー光凝固という処置を行うのが一般的でしょう。 写真が、レーザー光凝固装置の一例です。

 

多くの場合、眼科外来の真っ暗な暗室内に、前回の散瞳型眼底カメラの横あたりに、配置されているのが

一般的でしょうかね。 実は私、このレーザー光凝固装置も、昔から扱って来ておりましたのです。

写真左側が、患者さんが顔を乗せる、スリットランプという眼観察系で、右側がレーザー発信装置本体です。

左右の装置は、レーザーファイバーと呼ばれる細いワイヤー線で結ばれています。レーザー光の照射自体は、

1回の処置で、0.2秒ぐらいの短い時間のレーザー光を、数百発、網膜に照射します。(汎網膜光凝固)

患者さんはレーザー照射中、結構眩しくて痛いんですが、20分間ぐらい、じっと我慢しなければなりません。

この処置により、網膜の血管新生や出血が抑えられたり、網膜浮腫を予防したりする効果が期待されます。

このレーザー光凝固装置は、2000万円ぐらいもする高額な機器なのですが、広く多くの眼科施設に、導入

されています。 それだけ、糖尿病網膜症を悪化させる患者さんが、実は多い、ということなのでしょう。

内科の段階で、糖尿病のコントロールがうまく行ってさえいれば、このような装置のお世話になる必要は、

無かったのかも知れませんですよね。

 

でも、レーザーを照射しても、進行を止められない患者さんも、実は数多くいらっしゃるのです、、、、。

(次回へ続きます。)